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15Dec

「BLACK JACK」(1)-(17) 手塚治虫

Posted by somanybooks in NovelAndComic

医学博士の資格を持つ漫画家、手塚治虫さんの不朽の名作です。今読んでも普通に楽しめるどころか、熱中してどんどん読み進めてしまうのが凄いです。


■本の説明

手術の縫い目の跡が残る不気味な顔に、真夏でも黒コート、目つきも悪ければ愛想も悪い医師「ブラック・ジャック」がこの本の主人公です。

毎回法外な医療費を患者からふんだくる上に無免許医なのですが、他に比類ない外科手術の腕を持っているので世界中から引っ張りだこ。しかも口が堅く患者に関する情報は絶対に外部に漏らさないので、各国の要人からテロ組織の首謀者、そして名もない民間人まで、いろんな人々に呼び出されては手術を行います。
一見悪人風なのに、飄々と人の身も心も救うようなことをやってのけてくれるので、どうにも一筋縄じゃいきません(笑)

基本的に一話完結ですので、どの巻から読み始めても楽しめます。極端な話、13巻15巻といった半端な巻から読み始めても十分楽しめるでしょう。私もよく半端な巻を見つけては、拾い読みします(笑)


■感想

この漫画で凄いのは、一話一話の話が本当に面白いこと! よく一話完結でこれほどいい話を、しかもこんなにたくさん作れるなと読んでるこちらの方が感心するくらい、ストーリーがよく、中身が濃いです。
例えばある話はこんな感じです。(話のネタばれを含みます)

***

ある日ブラック・ジャックは難民キャンプに呼びつけられ、手術室もろくな機材もない状態で、大動脈に食い込んだ銃弾を取り出すという大手術を依頼されます。しかもその患者は、5,000万ドルの賞金を懸けられた列車強盗!
あまりに無謀な手術にブラックジャックも一度は依頼を断ろうとしますが断り切れず、結局その患者の大動脈に別の部位の皮膚を縫いとめるという形の応急処置を施します。

応急処置はあくまで応急処置ですので、患者が警察のいないところに逃げ延びたら改めて自分が手術を行うことを約束して、ブラックジャックは患者の元を去ります。
その帰路、手術を施した患者が実は義賊で、強盗をしては貧しい人々に分け与えている難民キャンプの英雄であることを知ったのでした。

1年後患者から連絡を受け出向いてみると、患者はパリ警察で身柄を保護され、一年内に死刑でこの世を去る身でした。
患者の頼みでブラックジャックは最高の手術をやり遂げますが、元患者の死刑は変わらず、銃殺刑の場に引き出された元患者はこの世を去る最後の瞬間、銃殺刑執行者に対して誇らしげにある事を頼みます……



***

……これほど濃いストーリーが、高々20ページに収まってること自体がおかしいです!(笑) 手塚先生って本当に凄い。改めてそう思います。

あと、手術の描写がとてもリアルで細やかです。医療用語も次から次へと出てきますが、実に分かりやすい。手塚先生自身が医学博士を取られたほどの医療畑の方なので、こうした描写ができるんでしょうね。

お陰で最近、研修医の友人との会話に苦労しません(笑) 「え、その人腹水溜まってるの? 取らなくていいの?」といったような会話が普通にできるようになりました。

  

(左から順に1巻、2巻、全17巻セット)



関連リンク
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 「花神」 司馬遼太郎

・小野不由美
 「月の影 影の海」小野不由美
 「東の海神 西の滄海」(十二国記シリーズ) 小野不由美

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 「風の歌を聴け」村上春樹
 「ノルウェイの森」村上春樹
 「国境の南、太陽の西」村上春樹

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・その他
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