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24Dec

「ボードレール全集〈第1巻〉」  福永武彦 (編集)

Posted by somanybooks in EtudierLeFrancais

1963年出版の本で、ボードレール詩集の翻訳が掲載されています。


■ 感想

大学でフランス文学の授業を取っていたので、その延長で読み始めました。私はボードレールでは「Les Fleurs du mal(悪の華)」より「Le Spleen de Paris(パリの旅愁)」の方が好きで、「パリの旅愁」の中なら、冒頭の「アルセーヌ・ウーセイに寄す」と33番の「enivrez-vous(酔え)」が特に好きです。

33番の「酔え」は不思議な詩ですね。「常に酔っていなければならぬ」「酒であろうと、詩であろうと、徳であろうと、それは君にまかせる。」という詩なんですから。生を刻む時間から逃れるために酔い続けろ、というのが意味深だなと感じています。とても刹那的ですが、同時にとても現代的だな、と。世界的大都市パリの一風景ですものね。

そして冒頭に書かれている「アルセーヌ・ウーセイに寄す」ですが、詩篇(というか詩片)を蛇の骨に見立てているのが斬新でした。「パリの旅愁」はどこを切りだして読んでも構わず、一つ一つが蛇の頭であり尻尾であり骨であり、取りだした後元に戻せばまた全体を構成するという表現が素晴らしく魅惑的です。
この冒頭を読むだけで、ボードレールの表現の美しさと的確さがよく分かりますね。

あと福永さんの訳が、翻訳文とは思えないほど良質です。日本語として意味の通じない読みづらい翻訳文が世の中に溢れていますが、福永さんの訳文はそれらの対局にあります。日本語として意味が通るだけでなく、訳文が美しい。福永さんがフランス文学を心から愛してらっしゃることが、訳文の丁寧さ、美しさから滲み出ています。訳文が美しいので、フランス文学を学習されている方以外にも十分おすすめできると思います。




■ 追記(文庫版)
「パリの旅愁」の岩波文庫版があったので、リンクを貼っておきます。



文庫版ですので、こちらの方が持ち運びしやすいと思います。翻訳者は上記と同じ、福永武彦さんです。


関連リンク
 ・トレーニングペーパー
読解編
文法編(1)-(2)
単語編

・辞書
「Le Dico」(仏和辞典)
"Ex-word電子辞書XD-GF7250 フランス語対応モデル" CASIO

・管理人の学習法
国立大学教養課程のフランス語の授業
国立大学文学部のフランス語の授業
実用フランス語検定試験の勉強
管理人のフランス語学習方法
管理人のフランス語学習歴
国立大フランス語(必修課程)で使った教科書

・その他
「パリのカフェ100」
「パリは屋根裏―暮らしてみた普段着の街」 やなぎもと なお
「ヴァレリー・セレクション」 Paul Val´ery (原作)、松田浩則・東宏治 (翻訳)
「フランス語で広がる世界」 日本フランス語教育会議編

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