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27Apr

「はじめてみよう 水彩スケッチ―観察のコツと見せかたのテクニック」 岩沢 一郎,  視覚デザイン研究所編集室

Posted by somanybooks in Painting

水彩を水彩ならではの透明感や滲みを生かして描きたい、とお考えの方におすすめです。


■主観的学び

・水彩画基本の流れ
 1.明るい面積の広い部分をウォッシュで塗って下地作り
 2.物にできる陰を塗る
  陰を塗ると絵が立体的に。
 3.細部を書き込む
  色が濃かったり描きすぎたりすると説明的になり雰囲気が壊れる
 水彩画の基本の流れを間違えると、めりはりのない絵になる

・画面を整理(ごちゃごちゃさせない)
 下絵の段階で簡略化する
 色を揃えて、色数を抑える

ウォッシュ
 たっぷりの水で溶いて均一に塗る。絵具を途切れさせないように。
 一度塗ったところを重ねて塗り、一定の色で塗れているようにすると美しい
  →下地。透明感のある仕上がり。

ウェットインウェット
 ウェットインウェットで作られた滲んだ色は、水彩ならではの美しさ。
 ウェットインウェットはあらかじめ水で湿らせた紙の上に絵具を乗せ、滲みを作る手法。水で湿らせているため色が均一に広がらず、色彩の美しいグラデーションができる。

にじみ
 一色目を塗っておいて、乾かないうちに、上から別の色を置く。
 紙の濡れ具合をどこまで把握できるかにかかっている

・ため塗り
 絵具をためる時間の長さで濃さを調整

たらしこみ
 先に塗った色が乾かないうちに、別の色を落とす。
 画面に自然なグラデーションができる

・混色と重色
 3~5色。2色では済まない(笑)

・ストローク
 上級者向け技法。
 筆の跡をキャンバスに残す。
 地面・水面などの平面を表現するのが基本
 手首や腕全体で、勢いで描く
 風や動きを感じさせる絵に

拭き取り
 ティッシュ、ガーゼ、筆、スポンジなど
 塗ったあと時間を置いてからティッシュで軽く押さえると色ムラができ、 やわらかなグラデーションに

・洗い出し
 明るくしたい部分を筆でこすり、ティッシュで拭き取る
 狭い面に有効

・削り出し
 カッターナイフでキャンバスを削る

・仕上げ
 練りゴムで汚れた画面や余分な下絵の線を消す
 絵が一段明るくなる

・アクリル塗り
 有り(笑)

・画面のメリハリ
 濃色を怖がらずに使う。
 筆のタッチを美しく、はっきりと

・脇役
 景色には脇役の存在が絶対に必要
 看板、商品、人、緑、車など

・紫
 空や海の色、れんが、遠景の陰や山並み、

・海
 緑青で平筆ストロークを生かして

・木
 絵具そのままの緑は、あざやかすぎて使えない。黄・茶に近い色が似合う

・人
 下絵では動きをとらえる。形を正確にとらえない。
 肌は薄い茶色で。絵具そのままの肌色は明るすぎて使えない
 細部を描くより陰を塗ったほうが、存在感が増す
 一人描いては次の一人を描く、の繰り返し

・看板
 面倒がらずに描くと目を引く
 小さい文字は、雰囲気を壊さない程度にとどめる

・れんが
 ウォッシュで下地→れんがの形をタッチで描く→白の線画で形を際だたせる

・デッサン(下絵)
 水彩画でも正確なデッサン力が肝要
 斜めの線が画面に動きを与える
 パースコントロール
 見たままを描く必要はなく、遠近感を調整する

はじめてみよう 水彩スケッチ 岩沢 一郎 透明水彩 水彩画 混色 重色 青 海


■感想

数ある水彩技法の本の中でも、掲載されている水彩画が群を抜いて美しかったので読み始めました。
水彩画の中の水彩画、といった印象です。油絵具、パステル、色鉛筆、数ある描画画材の中でも水彩は一番難しいので出版されている技法書のレベルの差も激しいのですが、珍しく良い本を引き当てました。

この本の著者の岩澤さんは、基本デッサンの上に滲みやたらしこみを多用して重色を作られる方のようで、画面のあちこちに美しい色のグラデーションが見られます。やはり、水彩画はこうでないといけませんね(笑)

正確なデッサン力はこの本の外で身につける必要があるかとは思いますが、水彩特有の技法を学び、美しい絵を作るという点に関しては、学びの多い本ではないかと思います。
ウォッシュやウェットインウェットなどの基本技法も絵を多用して説明してくださっているので、基本を確認する書としても非常に有効です。



↑ amazonのサイトで中身が読めます

 

↑ 同じシリーズの本です。右の「スケッチの色彩」も、色合いが綺麗で気に入っています。



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